<毎日新聞、2005年4月3日付け、地域ニュース・おおさか>


米の元べトナム帰還兵が講演

「戦争放棄の憲法守ろう」

「九条の会・きしわだ」が発足

 戦争放棄を明記した憲法9条を堅持しようと、作家の小田実さんや大江健三郎さんらが設立した「九条の会」に賛同する岸和田市民1600人が2日、「九条の会・きしわだ」を発足させた。同市荒木町のマドカホールで開かれた「スタートの集い」には約400人が出席し、元米海兵隊員のアレン・ネルソンさん(57)が平和憲法の重要性を訴えた。

 ネルソンさんは、ベトナム戦争から帰還後、PTSD(心的外傷性ストレス障害)で悪夢にうなされた体験を語った。小学校の教室に招かれ戦争体験を話した際、女子児童から「あなたは人を殺しましたか」と尋ねられたのをきっかけに、戦争の実態を語り継ぐ活動を始めた経緯を説明。「日本は9条によって戦争から守られてきた。世界平和は米国がつくるものでも国連がつくるものでもなく、ここにいる一人一人の力でつくられる」と憲法9条の理念を世界に広げるべきだと力説した。

 同会は賛同者を募っている。問い合わせは、市教職員組合内の同会事務局(0724・22・4876)。                                【奥村隆】