<しんぶん赤旗、2005年3月29日付け>


国交相、根拠示せず

参院決算委 小林議員指摘に

関空2期需要予測

 二十八日の参院決算委員会で日本共産党の小林みえこ議員は、関西国際空港二期事業について質問。国土交通省自身が将来の航空輸送需要予測の困難さを認めながら、根拠の乏しい予測のまま財務相・国交相の政治的な合意で総額一兆円超のムダな二期事業を押しきったことを追及しました。

 関空の需要予測については会計検査院の二〇〇〇年検査報告で「需要の程度や需要の伸ぴを大きく見込むなどした結果、実績はそれらを下回る」と指摘。これを受けて国交省が昨年四月に出した見解では、「予測時点でその後の経済成長率を正確に予測することは困難」「先の時点になるにつれ乖離(かいり)が発生する」と認めています。

 北側一雄国交相は、〇七年度に発着回数十三万回という需要予測について「成田空港の暫定並行滑走路の供用前が十三・三万回だった」とのべるにとどまり、まともな根拠を示せませんでした。

 小林氏は、伊丹空港から関空に便が移転されたら羽田発のビジネス客の74%が「新幹線を使う」と答えたアンケートを紹
介し、「利用者の利便性や国交省自身の立場に照らしても、関空の需要が増えるとの予測と大臣合意は乖離している」として、事業の凍結と再検討を要求しました。

 小林氏が会計検査院に特別検査の実施を求めたのに対し、森下伸昭会計検査院長は「関空事業の実施状況に強い関心を持っている。いろいろな面から検査を進める」と答弁しました。